冠動脈CT検査とは

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心臓を養う大事な血管であり、心筋梗塞や狭心症の原因となる「冠動脈」の状態を、外来通院のみで診断できる検査法です。

MDCTと呼ばれる、センサーが多数列配置されているCTは10年ほど前から日本で普及してきました。最近では256列〜320例と非常に高性能化か進み、常に動き続ける(写真で言うとブレる)心臓という臓器の撮影も正確にできるようになってきました。御存知の通り日本のCT普及率は世界でナンバーワンです。こういった検査が身近に行える環境は素晴らしいと思います。 

冠動脈CT検査の手順以下の通りです。
1.検査前に心臓の脈を落ち着かせるお薬を飲む。
2.検査の時間に来院する。
3.手から造影剤の点滴をしつつCT検査をする。(所要時間30分程度)
4.検査終了後はそのまま帰宅。なるべく多めに水を摂取する。

従来のカテーテル検査では、病院に数泊していただき、家族同伴でカテーテル検査を受けることが必要です。手首または足の付け根からカテーテルを挿入しますが、検査中、少なからず痛みを伴います。

それに対し、冠動脈CTでは静脈から点滴で造影剤を入れるだけですので、痛みは少なくすみます。なお点滴中は体が熱く感じるかもしれません。

通常の外来検査ですから、予約した時間に検査を受けるだけです。仕事で忙しい方や、家族の都合が合わせられない場合はまず冠動脈CT検査を行うのが良いでしょう。検査で異常があれば改めて入院の予定を決めます。

<正常所見のVR画像>
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カテーテル検査と比べて特異度約95%と言われており、上の写真のようにきれいな冠動脈(正常冠動脈)が写し出されれば、入院してカテーテル検査を行う必要性は少ないと言えます。

一方で下の写真のごとく、高度の石灰化や狭窄が疑われた場合
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入院予約の後、カテーテル検査を受けます。検査で病状をよりはっきりさせた上で、カテーテル治療(風船・ステントなど)やバイパス手術といった、適切な治療を受ける必要があります。

日本では食事の欧米化・人口の高齢化に伴い、国民の血管は非常に動脈硬化を起こしやすくなっています。それに対して狭心症や心筋梗塞という病気に対する意識はまだまだ低く、胸が痛くても病院に行かずに我慢される方も多いようです。

もし放っておいたら、死に至る可能性もある病気。それが心筋梗塞・狭心症です。早期発見・早期治療で、健康に長生き出来るよう心がけましょう。

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